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特集 『2008年花粉症対策−飛散花粉との接触を少なくする生活術』
   
 
環境省が発表した「平成20年春の花粉総飛散量等の予測」によると、今春のスギ・ヒノキ花粉総飛散量は西日本で例年並、東日本では1.5から3倍とやや多めです。またスギ花粉の飛散開始日は例年に比べて5〜10日早めで、大飛散日は3月上旬から中旬と考えられます(ヒノキ花粉の飛散ピークは3月下旬から4月上旬です)。今回はシーズン中の飛散花粉との接触をできるだけ少なくして、花粉症の症状を軽減する生活術について考えてみました。

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「花粉症とは?」
スギやヒノキ、ブタクサ、シラカバなど植物の花粉が原因物質(アレルゲン)となり、クシャミ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、充血などのアレルギー症状を起こす「季節性アレルギー鼻炎」を花粉症と呼びます。人によっては「皮膚のかゆみ」や「微熱」を伴うこともありますが、これらの症状は花粉飛散期が終る4月中頃になると自然に治まるのが普通です。
花粉症の代表的な症状

また近年、上記の花粉症の症状が花粉飛散期以外にも続く「通年性アレルギー鼻炎」と診断される花粉症の患者さんの例も報告されています。
 
「花粉は体のどこから侵入?」
花粉症(季節性アレルギー鼻炎)はアレルゲン(原因物質)である花粉が身体に侵入しなければ発症しません。また侵入した花粉が多ければ多いほど症状は悪化するのが一般的です。従って花粉症を軽減させるには、アレルゲンを体内に侵入させないことが肝腎です。…では花粉は体のどこから侵入するのでしょうか?
スギ花粉の大きさは1oの30分の1ほどです。こうした小さな花粉は「鼻や口、目」を通じて周辺の粘膜に付着します。それらを血液中のリンパ球が侵入者とみなし、過剰反応を引き起こすと上述したアレルギー症状を発します。従って目鼻口を被う「マスク」や「ゴーグル」など、花粉の侵入経路を絶ってくれるアイテムの着用はアレルギー症状を軽減するために有用です(「花粉防御アイテムを有効に使うコツ」参照)。
 
「どの程度の花粉量で症状が起こる?」
花粉症と診断された人の場合、体内に侵入した総花粉量がわずか20〜30個を超えただけでアレルギー反応が起こるといわれています。飛散シーズンの空気中には、1立方センチメートル当たり約30〜50個の花粉が飛散することを考慮すれば、花粉の侵入を完全にシャットアウトするのはとても不可能です。しかし既に述べたように、体内に侵入するアレルゲンの量が少なければ少ないほど症状は緩和されます。そのため外出時の花粉防御アイテム(マスクやゴーグル)の着装や、室内清掃、着衣の洗濯、毎日の入浴などにより、接触する花粉総量をできるだけ減らす地道な努力を怠らないよう心がけましょう。後半の「花粉症対策編」では花粉との接触をできるだけ少なくするコツなどについて解説いたします。
 

●コラム「花粉症が増える理由」

わが国では1960年代から増加しはじめ、いまや国民の約20%がクシャミや鼻水などの症状に悩まされていると推測されている花粉症。増加の原因として、以下に述べる3つの変化がクローズアップされています。

(1) スギ花粉の増加
戦後間もなく植樹された大量のスギが開花適齢期を向かえ、それに伴う花粉の増加がわが国の花粉症人口を押し上げたのではないかと推察されます。
(2) 排気ガス
かつては存在しなかった排気ガスなど、空気中に浮遊している微粒子が付着した花粉はそうでない花粉と比べ、花粉症の症状を促しやすいと考えられます。
(3) 建築物の近代化
鉄筋コンクリート建築の増加に伴い、住居環境の通気性が悪くなることで、ダニやカビといったアレルゲンが増加し、アレルギーになりやすくなったのではないかと推察されます。

こうした環境変化に加え、私たちの食生活が高脂肪・高タンパク食へ変化したことや、高密度社会でのストレス増加による免疫力の低下といった原因を挙げる専門家が少なくありません。

 
 



「花粉症対策 ― 飛散シーズンに花粉を寄せ付けないコツ」
身近な花粉症対策のポイントは「いかにして接触する花粉量を減らすか」にかかっています。しかし飛散期に花粉との接触を完全に絶つことは不可能ですので、あまり神経質になるのは逆効果。可能な範囲で地道な努力を継続する、といった心構えで花粉シーズンを乗り切りましょう。
 
(1) 通気性を確保しながら室内に侵入する花粉を少なくするコツ
「花粉シーズンには窓から飛散花粉が侵入するので、できるだけ窓を開けないようにする」という人がいます。しかし通気性のない部屋はアレルギー体質をかえって促すことにもなりかねません。かといって窓を開け、侵入する花粉量が多くなれば花粉症は起こりやすくなり、また症状を重くすることがわかっています。こうした二律背反を解決するには、飛散花粉が多くなる12〜15時(次いで日没前の時間帯)にはできるだけ窓を開けないよう心がけ、朝方の少ない時間帯に室内の通気性を確保しておきます。
窓を開けるのは朝方に!

室内に侵入する飛散花粉が溜まりやすいのは「ベッド」や「カーペット」などケバ立った個所です。窓を開けるときは、こうした個所をカバー(スベスベした生地を使用)で被っておくと接触する花粉量は確実に低下するはずです。また、ベッドやカーペットに使用できる「花粉防止スプレー」といった新アイテムも市販されていますので、溜まりやすい場所に吹きかけておくのも効果的です。
 

(2) 室内に侵入した花粉を効率的に清掃するコツ
今からの予防接種はもう遅い? 室内に侵入してしまった花粉をそのままにしておくと花粉症を進行させる原因になります。掃除のポイントは濡れ雑巾、または市販のお掃除シートなどを用い、窓を開けた後にはいつも小まめに拭き掃除を行ないます。カーペットやベッドなどケバ立った個所には専用の花粉防止スプレーを使用した後、掃除機を用いれば付着した花粉が効率的に除去できます。

 
(3) 「お出かけ注意日」設定のコツ
インフルエンザに抗生剤は用いない? 飛散花粉量が最も多い期間は統計的にみて毎年3月上旬から中旬にかけてです。また日中の飛散花粉が最も多い時間帯は正午から3時間くらいの間です。従って、3月上旬から中旬にかけては統計的に「お出かけ注意日」に該当し、特に正午から15時にかけては要注意です。一般的に飛散花粉は「雨の後の晴れの日」「風が強い日」「湿度が低い日」は時期や時間帯に関係なくシーズン中であれば飛散花粉量が増えますので、これらの条件が重なる日の外出はできるだけ控えめに。
 
(4) 花粉防御アイテムを効果的に使うコツ
マスクの着用に際しては、マスク自体に付着する花粉に留意することも大切です。飛散花粉量や地域にもよりますが、使い捨てタイプなら5日間程度の着用が目安です。ガーゼマスクなど使い捨てでないものはこまめに洗濯するようにしましょう。ゴーグルについては、レンズの曇りに花粉が付着しやすくなります。真水でレンズを磨き、皮脂成分などをレンズに付着させないお手入れを心がけてください。花粉防止スプレーは静電気を防止し、花粉を付けにくくするタイプのものと、付着した花粉を繊維から浮かせ、凝縮させるタイプなどがあります。後者の場合、スプレーが乾いた後に掃除機をかけたり、叩いたりして凝縮した花粉を除去します。
花粉防御アイテムを効果的に使うコツ
 
花粉症のセンサーは口や鼻などにある粘膜です。これらの粘膜を過敏にしたり傷つけたりすると花粉症は発症しやすくなります。また「過度の飲酒」「喫煙」「かぜ」「睡眠不足」「ストレス」などがこれら粘膜の正常な働きを阻害するリスクファクターであることをお忘れなく。
 
 


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