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肩こり・腰痛のツボ療法

 年齢層を問わず、肩や腰に起こる慢性的な痛みに悩む人たちが増えています。肩こりや腰痛の原因が、内臓や骨格系に起こる病気ではなく、「筋肉の疲労」「骨への過負担」「ストレス」といった場合、ツボ療法やストレッチなどによる適切な対処法を心得ておくと便利です。

肩こり腰痛のツボ療法
1.慢性的な肩こり対処法
『肩こりの原因』
 
 たとえば首の骨(頚椎)に異状があると、その痛みが肩全体に広がります。頚椎などに起こる、こうした骨格系の病気に伴う肩こりの場合、手や足などにしびれが起こるのが特徴です。骨の病気に伴う、この種の肩こりの場合、原因となる病気を治療することにより治まるのが普通ですので、肩の痛みを感じたら「手足にしびれがあるか?ないか?」といったことにも留意してください。
 一方、病気とは特に関係ない慢性的な肩こりは、良くない姿勢やストレスなどにより肩の筋肉が緊張し、血行が滞るのが原因です。ここでは、こうした慢性的な肩こりの対処法について「ツボ療法」や「温熱療法」を紹介し、また継続的なストレッチ体操による「肩こり予防法」にも簡単に触れてみます。
 
   
『肩こりのツボ療法』
   肩こりの引き金となる筋肉痛は、首から肩周辺にかけて広がる4種類の筋肉(増帽筋、肩甲挙筋、三角筋、菱形筋)の緊張や疲労によりもたらされます。従って、肩こりを軽減するためには、これらの筋肉へ良好な血行を促し、正常なコンディションへ早く戻すことが大切です。ここでは、ツボ療法や、蒸しタオルによる温熱療法で、まず血行を促す対策について解説します。  
 
・ 手首にあるツボを刺激する
手首にあるツボを刺激する 左手首上部の「外関(がいかん)」を右手中指で数回叩きます。
・ 肩の背側にある4つのツボを刺激する
肩の背側にある4つのツボを刺激する 肩こりの局所刺激のツボは「大杼(だいじょ)」「肩井(けんせい)」「天りょう(てんりょう)「肺兪(はいゆ)」です。背骨を境にして左右一方ずつありますので、左右を中指で10回ずつ刺激します。
・手の甲にあるツボを刺激する
手の甲にあるツボを刺激する 親指と人差し指の付け根(手の甲側)にあるツボが「合谷(ごうこく)」です。このツボを親指で、多少痛みを感じるほどの強さで押さえ、30〜60秒指圧します。 
 
   
『肩こり予防法』
 背筋をピンと伸ばした姿勢を普段から心がけることや、体を冷やさないことは、基本的な肩こり予防法につながります。これらに加え、以下でご紹介するストレッチ体操により関節や筋肉の緊張をほぐすことが大切です。以降で紹介するストレッチ体操の際には、「1,2,1,2…」と声を出しながら、1つずつの動作にメリハリをもたせ、呼吸が乱れない範囲で行なうのがコツです。
 
 
 
  (1) 肩幅よりやや広めにタオルの両端を握り、背伸びするようにタオルを高く掲げます。一番高い位置に至ったら、肘を体側に張り出すような感じで、頭の後ろ側にタオルを降ろします。これを10〜20回連続して行ない、(2)に進んでください。  

ストレッチ体操1

 
 
  (2) (1)と同様にタオルの両端を握り、体の裏側で背筋に沿ってゆっくりと引き上げ、その後、腕を下げます。タオルを引き上げるときの肘は(1)同様、体側に張り出すような感じで。この上下運動を10〜20回連続して行なってください。  

ストレッチ2

 
 
  ●コラム
『肩こりの温熱療法』
 
 
体を温めることで血行は促されます。従って、入浴やシャワー、蒸しタオルなどを利用し、肩周辺の筋肉を温めることで、軽度の肩こりは改善します。これらのうち、もっとも手軽な「蒸しタオルによる肩こり対処法」について解説してみましょう。比較的熱めのお湯(約60℃)に浸したタオルをよく絞り、痛みが強い個所を中心に、約3分間温めます。肩を温めているとき、できるだけ肩の筋肉の緊張をほぐすような姿勢にも心がけてください。血行が促されはじめると、肌の色がピンク色に染まります。 肩こりの温熱療法

 
 
 
  2.慢性的な腰痛対処法
 
『腰痛の原因』
 肩こり同様、腰痛の原因もさまざまです。自己療法がふさわしくない腰痛として、たとえば(腰椎)椎間板ヘルニアがあります。この病気の場合、膝から下にしびれが伴いますので、そうした自覚症状がある場合には受診が先決です。 一方、歩いている時よりも、椅子に座っている時間が長くなると腰が痛くなるタイプ(安静時痛)は、骨盤の前傾や足腰の筋肉のバランスが影響していることがあります。また屈曲型といって、体を前へ傾けると痛み出す腰痛など、市販の薬を用いるよりツボ療法が功を奏することも少なくありません。
 
 
『腰痛のツボ療法』
 腰痛の場合、痛みがひどいときには、腰にあるツボへの指圧を避けた方が無難なことがあります。いわゆる「ギックリ腰」など、下痢をしやすい体質の人に多い腰痛と中国医学では考え、下痢予防に適したツボ療法で腰の痛みを改善することがあります。ただし、痛みがあっても腰を動かせる程度なら、ツボ療法に適したポイントがいくつか腰にあります。ここでは、腹部や足に散らばるツボを含め、軽度の腰痛に用いる腰部のツボをいくつかご紹介しましょう。
・ 手首にあるツボを刺激する
手首にあるツボを刺激する 「肩こりのツボ療法」で述べた左手首の「外関」を、ここでもまた数回、右手中指で叩くように刺激します。
・ 腰部にあるツボを刺激する
腰部にあるツボを刺激する 椅子に腰掛け、「腎兪(じんゆ)」「大腸兪(だいちょうゆ)」「関元兪(かんげんゆ)」の三つのツボを各10〜20回、両手中指でジックリと刺激してください。
・ 足首と膝裏側にあるツボを刺激する
足首と膝裏側にあるツボを刺激する 足首のかかと側にある「三陰交(さんいんごう)」と、膝裏側にある「委中(いちゅう)」を揉みほぐすように指圧します。
・ お腹にあるツボを刺激する
お腹にあるツボを刺激する 痛みが比較的強い慢性的な腰痛に用いられる腹部のツボが「天枢(てんすう)」、「大巨(だいこ)」「中かん(ちゅうかん)」です。これらのツボのうち、刺激して最も反応があるツボに絞って、中指を含めた2〜3本の指でゆっくりと力を込め、またゆっくりと力を抜きます。1回のツボ刺激に要する時間は3〜5秒、10〜15回繰り返し行ないます。
 
 
『腰痛の予防法』
 痛みが激しい急性期の腰痛では安静にしていることが大切です。ただし、慢性的な腰の痛みや重み、加熱感といった症状の場合、ストレッチ体操やウォーキングなどが腰痛改善の運動療法になります。また、これらの運動を行なうことで、腰周辺の筋肉や関節を柔軟に保つことができ、腰痛予防の対策にもつながります。ここでご紹介するストレッチ体操は、決して楽なタイプではありませんが、慣れるに従い、次第に効果が自覚されるでしょう。
(1)ハムストリングのストレッチ体操
ハムストリングのストレッチ体操 腰を曲げると痛みが伴う「屈曲型」腰痛予防のストレッチ体操です。ハムストリングとは、太ももの裏側にある筋肉ですが、この部分の柔軟性が低下すると、前傾したとき骨盤が前傾しにくくなり、腰痛が促されやすくなります。机上に上げた足首やつま先を両手でつかむようなつもりで、左右両方で各10回ずつストレッチを繰り返しましょう。
(2)大殿筋のストレッチ体操
大殿筋のストレッチ体操 臀部の筋肉を柔軟に保つストレッチ体操です。これにより、腰の骨格系バランスが修正できます。この体操も、(1)同様、左右両方で各10回ずつ連続して行ってください。
 西洋医学では肩こりや腰痛を異なる方法で治療します。というのも、異なる部位の痛みだからです。しかし中国医学では、いずれの痛みも全身に連なる経路に点在するツボへの刺激により、最終的には自然治癒力の向上を目指します。というのも、肩や腰の痛みの原因もまた、根本的には自然治癒力の減退による不調と考えているからです。
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